本当は無理していませんか…?
このコラムに目が留まった時点で、きっと今のあなたはそろそろご自身のココロに限界が来ているのではないでしょうか。
「私ばかりが評価されないのは、なぜ…」
「真面目にやってきたのに、こんなのってあんまりだ…」
「本当は、今にも叫び出したいくらいなのに…」
こうした思いがひとつでも当てはまるのならば、あなたの心が出しているひとつのSOSかもしれません。
ココロはそう簡単にはSOSを出しません。
もしも、周囲やご自身にとってそれを自覚できたときは、本当に無理なとき。
人の心身のなかでも肝臓とココロだけは「大丈夫」と自らに言い聞かせながら、限界まで頑張ってしまうところと言えるでしょう。
もしも、そのままSOSを無視してしまったら…
今回はそうなってしまう前に、あなたご自身のほうで何か気付けるものがあればと思うことをお話させてください。
もう、その辛さを一人で抱え続ける必要はありません。
このコラムを読んでくださっているあなたが今どのような状況であるのかは分かりかねるのですが、「もう無理…」という状況だったとしても、「まだまだ頑張れる…!」という状況だったとしても、知っておいて損のない考え方と言えるでしょう。
泣いてもいいのです
子供の頃、ご両親の前であなたはちゃんと泣ける子でしたか?
それとも人前では我慢して、誰もみていないところで泣いている子でしたか?
子供の頃は自由に泣けていたのに、大人になると、人前で泣く事への申し訳なさや、恥ずかしさが先に立ってしまうでしょう。
確かにビジネスの場で悔しい思いをしても取引先の方の前で泣くということは、なかなか出来ることではありませんよね。
人陰で泣いたり、映画やドラマで感動して泣ける分にはよいのですが…
一番怖いのは何をしても泣けなくなってしまうこと。
「涙は心の汗だ」という言葉が以前に流行りましたね。
この言葉、実は非常に的を得ている言葉ともいえるのです。
私達は常日頃、生活をするなかで自然と毎日汗をかきますね。
それは真夏のみならず、真冬でも、じっとしている時や就寝時でも汗をかいているのです。
この汗をかくことによって体内の老廃物を外へと出し、新陳代謝を活性化させ、体の健康状態を維持することができます。
でも、これは体だけに言えることではありません。
ココロだってそうなのです。
先ほどの体における汗の作用を「ココロと涙」に置き換えるなら…
「涙を流すことによって心の膿を外へと出し、感情の動きを活性化させ、ココロの健康状態を維持することができます」
いまいちピンときにくい言い回しですが要するに、
涙を流すことで人は、ご自身の内側で消化しきれなかった感情を爆発させ、その感情がご自身にとって一番望む状態に昇華させられるのです。
感情の動きが鈍くなると、ココロもどんどん動きを鈍らせていきます。
動きが鈍ってしまうと、物事を考えたり、行動を起こしたりする時の原動力となるものも損なわれ、あらゆる事へのやる気が失われてしまうでしょう。
そのような時、動きが鈍った感情を活発にさせる潤滑油の役目を果たすものこそが、『涙』と、言えるでしょう。
なんでもいいので泣いてみることです。
ココロに溜まった膿が押し流されて、体においても程よい倦怠感を得られるでしょう。
泣く事は非常に体力を消耗しますからね。
泣ける映画、ドラマ、CMでも本でも音楽でも…なんでも構いません。
これまでを振り返ってご自身を心の底から労ってあげることもひとつの方法といえるでしょう。
それでも泣けない場合には、「泣く事に対する罪悪感」をまずは取り除いていく必要があるでしょう。
泣く事は悪いことではありません。
人が人らしく営みを送る上で、酸素を吸ったり、食事を摂ったりすることと同じくらい、必要なことと言えるのです。
「泣くのはいけないこと」から
「泣くのは必要なこと」とまずは考え方を少しずつでも変えていくこと。
また、世間一般でも「涙活」という言葉が流行り始めているように、普段涙を流せなくて悩みを抱えている方というのも、実は多いのです。
同じ悩みを抱える方とそうした思いや痛みを分かち合うこともひとつの方法です。
終わりに
もちろん、それでも涙が出ない場合というのもあります。
何をみても感動できない、何を思い返しても悔しくなれない…流せる涙もないほどにココロが乾いている感覚があるようでしたら、それは、そうなってしまうほどにココロが疲れているサインといえるでしょう。
泣けないのに泣こうと頑張りすぎるのもココロの圧迫になります。
そのような時は体を休めたり、リラックスしたりして、休息する時間をしっかり与えてあげましょう。
涙を流せることも、ご自身を労わって、褒めてあげることも。
全部が全部、とても大切で、とても素晴らしいことなのだということを、忘れないでください。
(参考)
宇佐美百合子『がんばりすぎてしまう、あなたへ』(サンクチュアリ出版)