エヴァンゲリオンで有名な庵野秀明監督作品「シン・ゴジラ」
興行収入50越えは確実。
今年の邦画NO.1とも言われるほどの大ヒット記録。
2014年にはハリウッドでもリメイク。
また、2017年には脚本・虚淵玄氏でのアニメ化も決まるなど今再び大怪獣ゴジラが日本のみならず世界を席巻しようとしている。
ゴジラって何?
そんな人もいるだろう。
ゴジラシリーズは1954年。
アメリカの水爆実験により、太古の巨大生物が進化したとの設定で誕生。
当時最高の観客動員数を記録して空前の大ヒット。
その後も、VSシリーズなど数々の作品を世に輩出。
ただの怪獣映画ではなく、時代を風刺した作品など、多くのメッセージを世に残してきた。
そんなゴジラシリーズも時代の波の中で、観客動員数が低迷。
2004年、ゴジラ生誕50周年作品、第28作目の「ゴジラ FINAL WARS」で完結をした…。
しかし、2014年。
ハリウッド版ゴジラが公開にになると再び「大怪獣ゴジラ」は光が当たり始める。
そして今年公開となった「シン・ゴジラ」
ここからは実際に作品を見た筆者の出来る限りネタバレを控えたレビューをさせて貰いましょう。
■シン・ゴジラレビュー■
この作品はこれまでの作品とは一線を画す、しかし原点回帰をした作品といった印象。
公式サイトにあるキャッチコピー
“現実(ニッポン)VS虚構(ゴジラ)”
これは作品そのものを表す名キャッチコピーだといえるだろう。
ゴジラという未知の災害と戦う日本人が描かれるわけだが、これはほとんど「東日本大震災」当時の日本の姿と被る。
私からこの作品を見るうえでの注意としては、震災当時のことが今も心にある方は、もしかしたら見ないほうが良いかもしれない。
東日本大震災を被災地で経験し、津波に呑まれた経験者である私からの注意。
それだけこの「シンゴジラ」はリアルな描写で、ゴジラという存在を映し出している。
大災害とゴジラ。
今作のゴジラは正に東日本大震災そのもの。
生易しさはそこにはない。
あるのは、ただただ破壊を繰り返し、何かを奪っていく絶対の恐怖。
それだけでなく震災当時にあった「オール日本」という空気感。
皆で何とかするんだという空気感が見事に再現されていて、とても感慨深いものだった。
庵野監督自身も東日本大震災直後に現地に入り、その様子を収めてきたという。
また、映画全体でもVSゴジラシリーズにあった特撮感や怪獣映画感は一切なくなっている。
そして見ものなのはゴジラとの戦闘シーン。
童心に返ることの出来る盛り上がり。
はたまた、ゴジラという存在への絶望感を味わうことが出来る。
私は始めてゴジラという架空の存在を「怖い」と思った。
悪感なのか、武者震いなのか。
上映中は鳥肌が止まらなかったのである。
また、さらに見所は328人にも登る豪華キャスト。
忠実に再現された人間模様。
あれだけのキャストがありながら、ひとりひとりの心理描写やバックボーンが事細かに見て取れるヒューマンドラマは、もはや怪獣映画の粋を越えている。
断言しよう。
私は恐らくもう一度見に行く。
また見たいと思うわせる映画もそうそうないだろう。
それだけインパクトがあり、もう一度見たいと思わせるものだった。
ゴジラはやはり日本が生んだ大怪獣であり、ゴジラは何者にも負けないのである。