「伝えたい気持ちがあるのに上手く伝えられない」
「語彙力が無い」
「ハッとするような驚きを味わったり、アハ体験をしたい」
「とにかく落ち込んでいる」
「何となくこのページに辿り着いた」
「暇だ」
などなど…
あなたがこの記事を読んで下さっている理由は上に挙げたものだけに限らないかとは思いますが、これもご縁ということで最後まで閲覧いただければ幸いです。
日々言葉と触れ合う仕事をしている筆者ですが、私に限らず言葉というのは誰しもが関わり深いもの。
そして今回、当記事でご紹介するのは表題の通りです。
~私だけでは見えなかった、世界を広げてくれる魔法の言葉~
日々言葉と触れ合っているからこそ、おこがましくも「この人には敵わないな」と思った言葉や、思わず胸を打たれた言葉たちを紹介させていただきたいと思います。
名言
きみが夕方の四時に来るなら、ぼくは三時から嬉しくなってくる。そこから時間が進めば進むほど、どんどん嬉しくなってくる。そうしてとうとう四時になると、もう、そわそわしたり、どきどきしたり。こうして、幸福の味を知るんだよ。
(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ──『星の王子さま』より)
ぼくは、あの星のなかの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑ってるように見えるだろう。
(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ──『星の王子さま』より)
世界的に有名な児童書『星の王子さま』は、作品全体が哲学的で名言のオンパレードですが、中でも好きなのが以上です。
ネタバレになるので詳しく言及はしませんが、もし子供の頃に読んだことがあるという人も改めて読み返してみると心にストンと落ちてくる言葉の数々に世界が広がることでしょう。
『星の王子さま』以外でも、サン=テグジュペリはこのような名言を残しています。
愛は、お互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである。
(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ『人間の土地』より)
自身の飛行士としての体験を元に書かれた『人間の土地』に出てくる上記の名言は、単なる男女の愛だけを表現したものではありません。
このセリフは、路を失い、砂漠に墜落して、それでも奇跡的に助かった彼と僚友のエピソードから酌みだされる。航路から外れており救出隊は絶望的だ、食糧は燃え尽き、水は砂漠が吸ってしまった。2人は生きるためにあらゆる手立てを尽くそうとするが、ことごとく失敗する。渇きに声を失い、幻覚が見はじめ、死まであとわずか。2人のあいだに、一種の”希望”のように横たわるピストルが不気味だ。
そこで、残骸の中から一果のオレンジを見つけるのだ。すぐさま2人で分かちあう。そして、死刑囚の最期のタバコのように味わう。そして、進むために、もう一度立ち上がる。同じ運命に投げ込まれ、ピストルやオレンジを前に顔を見合わせることも可能だ。だが、彼らはそうしなかった。東北東に進路をとって、歩き続ける。この名言は、生死ギリギリのところから酌みだされた美酒なのだ。
歌詞
いつか結ばれるより
今夜一時間会いたい
(宇多田ヒカル──『Be My Last』より)
https://www.youtube.com/watch?v=fR-IIj4YClI&list=PL26AA1CD25610650C&index=42
挙げたものは後半に出てくる歌詞なのですが、是非MVと合わせて聴いていただきたいです。
これに関しては上手く言葉では言い表せないのですが、不確定な未来よりも今を求める焦がれた気持ちって何をするのも原動力になりますよね。
もしも願い一つだけ叶うなら
君の側で眠らせて どんな場所でもいいよ
Beautiful World
迷わず君だけを見つめている
Beautiful Boy
自分の美しさ まだ知らないの
(宇多田ヒカル──『Beautiful World』より)
https://www.youtube.com/watch?v=uuMNmHdr0Lg
またまた宇多田ヒカルの歌詞となります。
『Beautiful World』は、映画『ヱヴァンゲリオン新劇場版:序』のEDテーマ。
エヴァファンだという宇多田ヒカルが書いた歌詞で、エヴァの世界観やシンジ君をこれ以上なく表現しているなと思っています。
筆者は特に“自分の美しさ まだ知らないの”という部分が個人的にとても好きです。
コピー
似合ってるから、脱がせたくなる
(尾形真理子──『LUMINE』広告コピー)
試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。
(尾形真理子──『LUMINE』広告コピー)
有名なコピーなのでご存知の方も多いはず。
主要都市の駅ビルにあるファッションビル『LUMINE』の広告です。
コピーライター・尾形真理子さんのコピーと、写真家・蜷川実花さんの写真が組み合わさることで女子の心にクリティカルヒットをかます最強とも言える広告となっているのです。
“似合ってるから、脱がせたくなる”は、服を売るためのコピーなのに、そう来たか!と思わず納得しました。
“試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。”は、堂本さんが執筆された同名の小説が出版されています。(ちなみに筆者は今読んでます。)
最後に
言葉は私たちの生活において密接に関わるコミュニケーションツール。
人の心を動かすのも、絆を深めるのも、関係を崩すのも言葉一つだなと感じる今日この頃です。
もちろんそれが全てではありませんが、せっかく私たちに与えられた大切な財産ですから、これを機に言葉が連れて行ってくれる新たな世界に足を踏み出してみませんか?