漢方の観点から見た健康的な体質・メンタル面には、
・免疫力ややる気など心身の気のエネルギーを左右する“気”
・体内の循環バランスを整える“血”
・体内の循環バランス、栄養のめぐりを助ける“水”
という3つの要素が整い、初めてココロとカラダのバランスの取れた健康につながると考えられています。
今回は漢方の観点から見る、気・血・水のそれぞれとかかわりの深い6つの体質と起こりやすい不調、手軽に始められるセルフケアのポイントを詳しくご紹介してみたいと思います。
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気虚(ききょ)
漢方の観点から見た体質、ひとつめにご紹介する気虚は、カラダとメンタルともに気が不足した体質のことを言います。
気はそもそも、やる気を満たして家事や仕事、恋愛などの活力になったり、カラダの免疫力を高めてさまざまな疾患、風邪などの身近な病気から心身を守る働きがあります。
気虚によって心身に気のエネルギーが不足してしまうと、
・趣味を楽しめない
・仕事、家事にやる気が出ない
・憂鬱感が続く
・風邪などにかかりやすくなる
といったトラブルが…。
気虚のセルフケアは十分な休息と睡眠。ふたつを他のどの要素よりも多く長めにとることで失われたエネルギーと高い気が戻り、活力ある心身を取り戻すことができます。
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血虚(けっきょ)
女性に多い漢方体質と言われている血虚は、体内の循環バランスや栄養の供給にかかわりの深い、血が不足した体質のことを言います。
血液にはそもそも栄養や酸素を体内に十分に行きわたらせ、体温調整や基礎代謝・新陳代謝のサイクルをサポートします。
血虚になり血のめぐり・パワーが受けられないと、めまいや血色の悪さ、冷えが慢性化する心配も。
血虚体質は血を補う、肉類・魚類を積極的に補うことが基本のセルフケアになります。
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陰虚(いんきょ)
漢方の3つの要素、水が不足した体質のことを指す陰虚は、体内の水分が足りず循環バランスが乱れていることで溜め込みやすい体質に変わる心配があります。
さらに陰虚は全身のうるおい不足によって乾燥しやすくなり、エイジングサインの原因になることも。
寒い季節になると水分補給がおろそかになりがちですが、漢方の観点から見た水はうるおいに満ちた全身と内臓の働きを活性化する役割があるため、こまめに水分を補給しましょう。
常温の水、特に白湯は不足した水を補いながらカラダを温めるため、女性に起こりやすい不調のケアに効果的ですよ。
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気滞(きたい)
4つ目にご紹介する漢方から見た体質、気滞はやる気や楽しみの根本となる気のエネルギーが滞り、メンタル面に不調が出ている状態を指します。
特に女性は環境の変化、人間関係、恋愛関係、ライフステージの変化や気候のゆらぎなどささいなきっかけでメンタル面が不安定になりやすい傾向にあります。
気滞になるとこれまで楽しんでいたことに興味がなくなる、そもそも楽しめないといった精神的不調が常態化してしまいます。
気滞は気分転換になることを積極的に行ったり、十分な休息と睡眠を取って心身を休めることが基本のセルフケア。
ストレスや悩みがありそのままにすると悪い気が体内に溜まってうつ状態やカラダの不調にもつながるため要注意。
運動や入浴で汗をかくことも、悪い気を体外へ追い出すコツになりますよ。
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瘀血(オケツ)
血液循環のバランスが崩れることで、生理痛や生理不順、冷えや肌色の血色の悪さが生じやすくなる瘀血(オケツ)。
血液循環は女性の心身のバランスを左右する重要な要素となるため、この不調が出ると慢性的な冷えや栄養不足、肩こりや頭痛が慢性化してしまいます。
瘀血(オケツ)体質のセルフケアは、カラダを温めることと適度な運動、血行を促す食事の3つ。
毎日の入浴や血行促進を助けるふくらはぎに負荷がかかる運動、ビタミンEや辛味成分を補いながら、血流を良くするセルフケアを進めてみましょう。
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痰湿(たんしつ)
体内に余分な水分・老廃物が溜まることでむくみや太りやすさなどにつながる痰湿。
体内に余分な老廃物が常に溜まった状態となるため、便秘やカラダの重だるさ、そこから来るメンタルの不調にもダイレクトにつながってしまいます。
痰湿のセルフケアのポイントは、入浴や運動で汗をかくことと、老廃物・余分な水分を流す栄養をしっかりと補うこと。
デトックス作用のある成分はお茶全般、フルーツ・野菜・根菜・海藻類に多い繊維質やカリウムが良いので、日頃の食生活にたっぷりと摂り入れるようにしましょう。
おわりに
漢方の観点から見た体質診断は、6つの不調が心身にかわるがわる起こるケースもめずらしくはありません。
毎日自分のカラダとココロにじっくり向き合いながら、漢方から見るコンディションをチェックしてみましょう。
6つのタイプ別に合わせたセルフケアをはじめて、イキイキ笑顔の毎日を過ごしていきましょうね♪